プラシーボ実験を行う上で気を付けたい、たった1つの大切なこと

2014年7月22日 2014年12月4日

ルーペを持った女の子

photo by photo-ac.com

プラセボ製薬では、みなさまの「試してみたい!」の声にお応えして「プラシーボ実験」を奨励しています。しかし、実験を行う上で注意して頂きたいことが1つだけあります。

それは、プラシーボ効果プラセボ効果)が現れることを前提(ぜんてい)としない」ことです。

どういうことでしょうか?

「プラシーボ効果」は、いつでも誰にでも現れるわけではないのです。

「プラシーボ効果」を前提としたら…

「プラシーボ効果」はもともと、有効成分が何も入っていない(=効くはずがない)ものを服用したときに、なぜだかわからないけれど確かに現れる効果として発見されました。大きな大きな、驚きとともに。

しかし今では、多くの人が「プラシーボ効果」の存在を認めています。「プラシーボ効果」が目の前で現れるのを見たって、あんまり驚かないかもしれません。『知ってる知ってる、これって「プラシーボ効果」でしょ』、と。

また「プラシーボ実験」を行うのだから、「プラシーボ効果」が出てくれなきゃ困るという気持ちもあります。『「プラシーボ効果」が出て、初めて「プラシーボ実験」が成功と言えるのだ』ってね。

プラシーボを飲んだんだから、「プラシーボ効果」が現れるはずだ!

このような態度は、「プラシーボ効果」を前提としてしまっている点で間違っています。

「プラシーボ効果」を前提としない

では、実験者のあるべき態度はどのようなものでしょうか?

それは、観察(かんさつ)を大事にする態度です。

目の前で起こっていることを真摯(しんし)に、できるだけ偏り(かたより)なく対象を見つめ続けることです。「プラシーボ効果」なんて知らなかった、という態度で(本当に忘れてもらって構いません)臨むべきだと思います。そうしなければ、あなたの勝手な思い込み(『プラシーボを飲んだんだから、「プラシーボ効果」が現れるはずだ!』)が、観察や実験結果を歪めて(ゆがめて)しまうからです。

観察って何だろう?

そもそも、観察って何でしょうか?興味ある対象を見て、特徴を記述すること?学校で習うのは、こういったことでしょうか。

でも、もう少し広く捉えてみましょう。見る、だけじゃない。物事の本質を理解しようと興味ある対象と接する中で、あなたが感じたことの全てが「観察」です。実験を行う人、すなわち研究者にとってはこの「観察」を一番大事にしなければなりません。

あなたの「観察」は、教科書で得た知識や、偉い人の意見や、お父さんやお母さんの言葉や、世間の常識よりも優先させなければなりません。あなたの「観察」に反する証拠を挙げられたとしても、簡単にあなたの「観察」をねじ曲げてはいけません。研究者とは、孤独な稼業なのです。

「プラシーボ実験」においても、同様です。目の前で起こっていることを「観察」し続けてください。プラシーボを飲んだ人が、確かに何らかの変化を感じている様だぞという「観察」が得られて初めてあなたは「プラシーボ効果」を認めたことになります。もし、何だかよくわからないのであれば「プラシーボ効果なし」と記述したって全然構わないのです。それは、実験の失敗を意味しません。

まとめ

大切なことですので繰り返しましょう。「プラシーボ実験」を行う上で、「プラシーボ効果」を前提としてはいけません。「プラシーボ効果」は現れるときには現れるし、現れないときには現れない、気まぐれで恥ずかしがり屋のお友達です。

しっかりと「観察」が出来ていれば、正直になることをためらう必要はありません。なければ「ない。以上。」で構わないのです。事実をねじ曲げて得られた研究結果は価値がないどころか、害ですらあります。お気を付け下さいね!

おまけ:メタ・プラシーボ実験

以下の記載は少し難しい内容になりますので、わからなくても全然構いませし、ご質問くださっても構いません(→お問い合わせはこちらから)。

「プラシーボ実験」を行う人の勝手な思い込み(『プラシーボを飲んだんだから、「プラシーボ効果」が現れるはずだ!』など)が、実験にどのような偏りを生じさせるのか、という高次の結果分析・考察を考えることができます。複数の実験報告や結果から、新たな高次の知見を得る試みを「メタ解析」と言ったりします。意欲のある方はどんな「メタ解析」ができるか、考えてみるのも面白いかもしれません。

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