プラセボ効果の認知度は4人に1人程度

生まれながらに持っている本能的知を除けば、ヒトは多くの知識を周囲の環境や与えられた教育から獲得します。

プラセボ効果?なにそれ、うまいの?

案外と、プラセボ効果については知られていないのかもしれない。そんなアンケート調査結果がでました。

プラセボの認知度調査

プラセボ効果をごくごく簡単に説明するならば、有効成分を含まないニセモノのお薬でも、それを飲む人が効くと信じて飲めば効いてしまうという、いわゆる「思い込みの効果」です。

各種メディアでもたびたび使われていますし、日常会話として「それプラセボ効果だよ」などと使っても通じる場合が多いように思いますが、認知度・知名度のほどやいかに?

アンケート

アンケート調査は2015年11月1日~23日に実施しました(調査協力:ボイスノート)。

本人確認書類により本人確認済みのボイスノート会員より、6,251回の回答を得ています。なお、ボイスノート会員に限定されるため、日常的にインターネットに接する成人がメイン回答者層となる偏った結果であることを予めご了承ください。

「プラセボ効果」の意味

「プラセボ効果」あるいは同義語の「プラシーボ効果」について意味の認知を問うたところ、約25パーセント、およそ4人に1人の回答者が「知っている」と答えました。

4人に1人しか知らないのは、驚きの結果です。あまり知られていないようです。

ただし「プラセボ効果」の意味を知る人が少数だとはいえ、「ホーソン効果」や「ピグマリオン効果」といった他の類似用語より認知度は高いかと思われます。

教えて、Google先生!

実はこうした言葉の使われる頻度、認知度や知名度については今では日常動作の一つになった「検索」や「ググる」といった明示的な行為によって、その一端を窺い知ることができます。

「プラセボ効果」と「プラセボ効果」、あるいは「偽薬効果」には呼称ゆれの問題がありますが、日本人の90%以上がメイン検索エンジンとして利用するGoogle検索において、月間2万回以上検索されます。

2010年時点で日本の月間検索総数が44億回というお話もありますので、2万回など塵芥の感はありますが、まぁそれでも。

日本国の人口を1.2億人と概算すれば、月当たり6,000人に1人(0.016%)がプラセボ効果の情報を求めている…少ない!

言葉自体を知らなければ、意味を知るために検索することもできません。

偽薬の一般販売について

上記と同時に、偽薬の一般販売に関するアンケートをとりました。

こちらの認知度は18.6%、およそ5人に1人程度が知っているという結果に。

まだ知られていないと取るべきか、非常に知られていると取るべきか。

トリックではないけれど

実は今回の結果については正当性がありません。

というのも、本アンケートを実施する以前の数か月間にわたり同一プラットフォーム上で異なる主旨のアンケートを実施し、一部の方にはプラセボ製薬が販売する「プラセプラス」の介護用偽薬としての用途をお伝えしていたためです。

回答者の重複についてはボイスノートのシステム都合上知り得ないのですが、以前のアンケートにお答えいただいた方の内、今回もお答えいただいた方が相当数含まれていたものと思われます。

もっと広く「インターネット利用者」や「日本人」などに調査対象を広げれば、おそらく数パーセント、あるいはコンマ数パーセントの認知度しかないように思われます。

仕様上こうした偏りが出てしまうのはどうしようもないので、ご参考まで。

プラセボ製薬のしたいこと

プラセボ製薬では、できることならば、プラセボ効果をポジティブに利用したいと考えています。

人は、知らないものを本能的に避けようとします。

プラセボ?偽薬?なんだか知らんけど、怪しいぞ…

人は見た目が9割と言われますが、コトバや概念も同じことで、その字面に印象が大きく左右されます。知らない&怪しげな響きで印象悪化必至。

認知度の向上

  • プラセボ(偽薬)が一般に販売されていると知られない方が良いのでは?
  • 知られたら、効くと思い込むのに必要な信心を妨げるのでは?

そうした懸念があります。

一方、「だます」という行為が伴われることに拒否感があり、偽薬だと知られないように広く流通させることへの懸念もあって、なんとも難しい。

何とも難しいこの課題に誰もが納得する解はあり得ませんので、プラセボ製薬はその独自の価値観に従い、プラセボ効果の認知向上およびプラセボの一般販売に関する周知徹底を行おうと思います。

それは利益を確保できる環境を構築するという意味と、プラセボが広く流通した社会の姿をこの目で見てみたいという極めて利己的で興味本位な考えですが、あるいは多くの人にとってよりよい社会になり得るのではないかと勝手ながら思い込むことにして。

教育現場への浸透を

自らの経験を思い起こせば、高校生のころまでには「プラセボ効果」と称される現象の存在を認知していたように思われます。どこで知ったか全く思い出せやしませんが、なんとなく、知っていたような。

このなんとなく知っている感じをより広めるため、中学・高校の英語教科書への「プラセボ効果(placebo effect)」収載を画策して…。

また小中高の理科でも「未だに科学が解き明かせない人体の謎」として採り上げていただけるように、などなど。

教育現場でプラセボ効果について知る機会が増えれば、必然的に認知度は向上するように思います。