寝つきが悪くとも薬を使わず寝入りたいので原因と対策を練る

睡眠不足が不健康に直結することは、直ちに、速やかに、その場でわかりますよね。寝起きの瞬間のダルさがハンパないのです。身体に良い訳がない。お肌にだって最悪でしょう。

睡眠の問題を解消すること、少なくとも改善を試みることは健やかな健康観を得るために必須と言えるでしょうが、できれば自身の身体にある「眠るチカラ」を信じてやる方向で、どうにかしたいものです。

つまりは、「熱」と「水」だけでどうにかなるんじゃないかって。

だが、眠れないのだ

睡眠障害や不眠症などと一括りにされることのある眠りの問題。

就寝後に「眠り過ぎる」という問題を別にすれば「寝付けない」問題と「途中で起きてしまう」問題がありまして、ここでは入眠時の「寝付けない」場合を採り上げています。

寝付きが悪い。夜、布団に入ってから数時間眠れないこともザラにある。そんな場合に。

対策あれこれ

十分な睡眠をとれないとありとあらゆるパフォーマンスが低下するので、「快適な寝入り」に関する情報収集欲求が高く、また多くの人が同じように悩んでいるという情報需要も高いため、ハイクオリティな情報が提供されやすい傾向があります。

高品質の情報とはつまり、それを得た人の行動を変える情報のこと。ただし、大元の悩みを解消するか否かは問題外。

「寝付きが悪い」などでググって検索して見たらば、あれやこれやの対策・対処法が見つかります。

  • 体内時計に依拠するもの(いつも同じ時間割で!、朝日を浴びよう!)
  • 自律神経系に依拠するもの(ストレスをなくそう!)
  • カフェインに関するもの(就寝○時間前のコーヒー・茶は厳禁!)
  • 生活習慣に関するもの(日中は活動的に!夜間はテレビ・パソコン・スマホを控えて!)

話が脇に逸れちゃいますが、インターネット上に出回る情報には「強さ」みたいな属性があって強い情報が弱い情報を駆逐する結果、どのサイトも似たり寄ったりのことが書いてあったりします。睡眠に関してもそうで、時間を掛けて追い求めたらドンピシャの解決策が見つかるなんてことはあまりないようです。

知ってる知ってる、でもそれ前に試して効かんかったんよなー

ただこうした情報は、仕入れたその日もしくは次の日から行動を変えることができる具体性を持っています。それが効くか否かを保証してくれるわけではないだけで。その人独自の原因があるかもしれないし、そもそも不眠症や睡眠障害について科学的に分かっていることなんてすごく小さくって、分からないなりに何とかしようという提案が上記の対策だからしょうがない。

そう、本記事で提供するのもそんな具体策の一つであり、効果を保証するものではありませんので悪しからずご了承ください。

サプリや睡眠薬はどうなの?

睡眠に関しては悩む人の多さから、つまりは市場規模が大きいため、睡眠を促すなんらかの化学物質を含む医薬品が開発されています。

  • 睡眠薬
  • 睡眠導入剤
  • 導眠剤

不眠症治療で医師に掛かっている方の中にはネットや本で情報収集に励み、即効性のある成分やら翌日まで持越しやすい成分やら、えらい詳しい方もおられましてその熱気を感じます。

またサプリメント・健康食品もこの巨大な市場に進出しています。翌朝のスッキリを取り戻したい方がこぞって買い求めたあの商品も、この商品も。サプリの範疇にあるものを過信してはいけませんが、それで悩みが解消するのならそれに越したことはないでしょう。

治す、完治する、治癒するといった根本的な解決に資することの無い対症療法とは言え、いまここにある悩みを解消してくれる何かに救いを求めることを止めることはできません。

退薬時の反跳性不眠や精神依存的傾向などの例が有ることを知識として抱えつつ、リスクとベネフィットを勘案しながら医薬品やサプリメントを試してみるのが現代的消費者のあり方なのかもしれません。

眠気の議論が足りてない

当ブログを運営するプラセボ製薬では、気分の問題は人生に占めるウェイトが大きいと考えています。こと睡眠の問題に関しては「眠気」への研究・理解が進んでいない気がするのです。

睡眠障害・不眠症治療の目的を「眠り」におくか、はたまた「眠気」におくか。これだけで方針は大きく変わるでしょう。

眠れない人は、眠気をしっかりと感じられていないのだ。寝付きが悪いときには「眠くなるまで寝ない」という対策法もあるのだ。

そんな風に思います。

自律神経失調症はうさんくさい?

身体の不調を説明する理論として有名な「ストレス理論」。また今ではより具体性を伴った「自律神経失調症仮説」が幅を利かせていたりします。でも、こうした説明は「原因不明」を単に言い換えただけで、有用な情報とは言い難いのではと思われます。

どんな不調にだって当てはまる原因を持ち出された時に、「そうか、自律神経が乱れていたのか!」という取り敢えずの一時的な納得がえられる価値はあれど、それ以上の価値はないような。

でも、よくよく考えてみたらば。ストレスなんて誰しもが感じていて、というか生存に必須で、自律神経も参っちゃうことがあるとはいえ、そうそう頻繁に失調してたのじゃ種の存続が覚束ない気がするのです。600万年の歴史がある人類はある程度の頑丈さを備えているはずだし、実際に備えているように思われます。

つまり、自律神経は失調しておらず、どうも生存のためにカラダをある状態へ持って行こうとしているようだぞ?と考えてみた方が良い。身体ってバカじゃない。カシコいのに、理解が追いついてない。

温湯的革新

ずいぶん遠回りした気がしますが、ついに本記事の核心に迫ることが出来そうです。

寝付けない時は、お湯を飲みましょう。

お湯・ぬるま湯・白湯

代謝改善、ストレス解消のため暖かいお湯を飲みましょう、と言われることがあります。眠気にフォーカスし、さらに捕捉しましょう。

熱と水と眠気と

睡眠時に体温が下がることはよく知られていますが、「なぜ下がるのか?」はよく分かっていません。

一方「どのように下がるのか」はよく分かっていて、それは身体の中心部に流れる温度高めの血液が手足に流されることによって、また時に汗をかくことで達成されます。

眠気を感じるのは、水(血液)に熱(深部体温)をのせて身体の外へ逃がしてやろうとしている時です。冬山遭難時に眠るのが危険なのは、体温低下が促進されるから。

この作用を血管の拡大・収縮によって支配しているのが、他ならぬ自律神経系で、特に副交感神経が重要です。深呼吸や腹式呼吸が寝つきの悪さの解消法として採り上げられるのは、意識的に副交感神経優位にするのに最適な方法が「呼吸管理」のため。

寝付けない時には、身体の中では血流の外向けの移動が上手くいっていないのだと考えてみましょう。何かが足りないのだ、と。

何が足りないか?

「水」と「熱」だ。

これを外から補給してやればいいんじゃない?というわけで「水」と「熱」、つまりはお湯をタップリめに飲んでみることをオススメします。

体温よりもちょっとだけ温度高めのぬるま湯を、寝る前にコップ1~2杯。

トイレが近い?うーむ、困りましたね。二兎は追えないので、取り敢えず寝付き問題の解消を試みられてはいかがでしょうか?適度な寝入り・睡眠は頻尿状態を改善するかもしれません。

熱も水も抱えておれない

ヒトの身体は幸か不幸か熱も水も必要以上には抱えておれないつくりになっていて、必要とあらば外から仕入れ不要とあらば捨て去る循環の中で生きています。

が、夜に眠る際には血管容量が拡張して水不足になりがちですし、熱だってどこかへまとめて置いたり勝手に捨てることのできない物理的な制約があります。

だから、水を補ってやる。そして、捨てるための熱をちょこっと加えてやる。

そうすることで身体は「眠るチカラ」を目覚めさせ、睡眠状態に近づけるような気がします。

もしお悩みとあらば、是非一度就寝前の湯飲み習慣をお試しください。セロトニンとかメラトニンとかグリシンとかベンゾジアゼピンとか睡眠業界にカタカナ言葉はたくさんありますが「お湯・ぬるま湯」という和の響きを取り戻したい方、医薬品による強制的な睡眠よりは自然と身体の働きに則った睡眠がいいと思われる方も、是非。

飲湯、その他の儀式

白湯を飲む。

よし、寝入り端にすべきことはわかった。

でも、布団に入ってしまうとどうにも寝付けない…。

そんな時にはどうすればよいのでしょうか?

儀式の重要性

実は、逆説的ながら寝入りを邪魔するのは「なにもしない」とか「何もするべきことが無い」ことです。

眠るということは実際には「何もしない」ことなのだから、眠るために「特に何もしない」でいるのだけれど、なぜだか眠りにつくことができない。

残念ながら、人間は「なにもしない」ことが苦手な生き物です。何もしようとしていないのに、脳は「考える」を実行してしまうために眠れなくなってしまいます。

であるならば、何事かをすべきなのではないでしょうか?眠るために。

プラセボ効果の研究ではよくよく言及されることですが、人間にとって大事なのは「儀式」です。眠るためにするべきなのも「儀式」でしょう。

寝入りの儀式自体に実効力はなくとも、何もしないに代えて何かをすることに意義はあります。

具体的な儀式の様式

身体的な儀式の紹介。

もちろんご自身で儀式的行為を開発されても良いのですが、ここでは具体的に上記ツイートをオススメしておきます。

そして、この姿勢のまま意識的に深い呼吸を繰り返しましょう。

とにかく大事なのは「儀式」です。

何もしないで眠りが訪れるのをただ待つのではなく、この儀式的行為を実践してみてください。