エアコンのクーラーや冷房で冷えて腹痛・下痢になる原因はクーラー病?

2016年7月4日 2016年10月7日

エアコンの効き過ぎで凍える

illustration by いらすとや

真夏日の蒸し暑さに耐え兼ね、やむなく苦手なクーラーを点けてはみたものの…しばらくすると、やっぱりお腹が痛くなってきちゃう。

男性、女性、大人、子供。年齢や性別に関係なしに起こる、腹痛や下痢。

でも、それってなんでだろう?

夏場の腹痛

『お腹が冷えて腹痛・下痢になる原因は身体の防御反応にあり』という記事ではお腹の冷えからくる腹痛・下痢のメカニズムを仮説として紹介しています。

当初は冬季のアクセスがメインかな?と考えていたのですが、さにあらず。夏も本番を迎えるまさにそのころ、アクセスが急増しました。

原因は、「エアコン」「クーラー」「冷房」

こうしたキーワードと共に、「お腹が痛い」や「お腹を壊す」、もっと直接的に「下痢」などと一緒に検索する方が増えるようです。

夏にお腹を壊して下しちゃう原因としては高温で増殖しやすくなっ細菌による「食中毒」が筆頭に挙げられますが、1960年代半ばに「三種の神器」として採り上げられた「クーラー」もまた、下痢の原因として大きな割合を占めています。

1960年代半ば以降、高い普及率を誇る冷房機は身体の不調問題を解消せぬまま21世紀に突入してしまったようです。

クーラー病?

文明の利器がもたらした、冷房空間。

しかしながら人類は、急激な温度変化にうまく対処できるよう進化したわけではなさそうです。

クーラーがもたらす快適性と、それを踏み越えた際に訪れるカラダの不調。

身体の冷えに伴う血行不良が引き起こす体調不良全般を「クーラー病」と呼称することもあるようです。

その最も劇的な形が下痢だ、と言えるかもしれません。

ただし本記事では「クーラー病」という原因のみを指示する呼称を離れ、冷えに対する身体の積極的対処法として下痢を捉える視点を提示します。

カークーラーの悲劇

熱過ぎる車内温度は運転環境として最適とは言えませんが、クーラーで冷やし過ぎた場合にはやはりお腹が痛くなってしまうことも。夏場のレジャーに必須のカークーラーですが、出がけに冷えて体調を崩してしまえば元も子もありません。

お気を付け下さい。

またタクシーなど自分の体調とは関係なく運転手の裁量で車内温度が決定されてしまう場合には、熱がりの運ちゃんに当たったが最後、降車するまでカークーラーの冷風に耐えるしかありません。

タクシーのカークーラーで下痢になって緊急の途中下車を余儀なくされる場合もあるようですので、羽織り物一枚、持っていた方が無難かもしれませんね。

冷えると自律神経が失調?

さて、どうして人は冷えるとお腹が痛くなってしまうのでしょうか?

よくある回答としては、「自律神経が乱れて、腸が異常収縮してしまうから」などなど。外部環境の急変に身体の調整能力が追い付かず、乱れ、異常化し、壊れてしまうという“方便”が用いられます。

でも、人間の身体はそんなにチャチなモノでも不安定なものでもありません。

外部環境の変化に対して、生命を維持するため内部システムを再編成して環境に適応する素晴らしい能力を秘めています。たぶん。

「冷え・寒さ」とは何か?

クーラー・冷房によって「冷え」を感じたり、「寒さ」を感じたりする時、私たちのカラダには何が起こっているのでしょうか?

それは言うまでもなく「冷えている」のでしょうが、より物理的な側面から言えば、「体熱が外へ逃げている」ことを感知しているにほかなりません。

恒温動物たる哺乳類が進化の歴史を生き延び現在の世界に広く生息しているのは「体熱・体温調整能」をいかんなく発揮した結果です。一時的な「冷え」くらいで壊れてしまうようなものでもないでしょう。

ヒトの寒冷耐性

ただ、北極で生活を営むホッキョクグマなどと違い、ヒトはその体毛の薄さなどを観ても分かる通り、「暑さ」への順応の見返りに、「寒さ」に対しては耐性を捨ててしまったようにも思われます(そのことが火の利用や衣服の活用を促進したのかもしれませんが、それはまた別のお話)。

ヒトにも確実に「体熱・体温調整能」は備わっていますが、「冷え」に対しては若干親しみ難くできているようです。

現代の都市生活において実現された、「クーラー・冷房機器による局地的な冷え」がもたらすお腹の不調は、まさに現代的な悩みの一つと言えるでしょう。

冷えて腹痛となるメカニズム

恒温動物たるヒトにとってクーラーによる「冷え」、すなわち「体熱の逃避・放散」は放っておけば命に関わる状態です。

これを防ぐ身体の作用が、すなわち、「腹痛のメカニズム」だと考えることはできないでしょうか?

指令①:体熱の放散を止めよ

「冷え」を感じた身体は、「体熱の放散」を抑えてエネルギーを節約しようと試み、各所へ指令を出します。

「体熱の放散を止めよ」

体熱は主に大きな筋肉のある体幹部分(カラダの中心部)で作られ、温かい血液として末梢部分(手先・足先)まで届けられていますが、今は手先・足先を温めている余裕がありません。

身体が出す指令は体熱の放散を止めるという目的を指示するのみでしたが、その現実的な方法にとして自然・進化は「血流を抑制すること」を選択したようです。

指令②:体温向上に最適な状態をつくれ

「冷え」を感じた身体は、不足する体熱を補って体温を向上させようと試みますが、その前段階として各所へ指令を出します。

「体温向上に最適な状態をつくれ」

一見、何の変哲もない指令のようですが、「体温」という属性はやや複雑な物理的特性を考慮しなくてはなりません。詳しくはWikipedia「熱容量」の項をご参照いただきたいのですが、人体の「熱容量」という視点から考えると、「体温向上に最適な状態」とは以下のようなものです。

熱容量が小さいこと。

熱容量を考える際のヒントは、「地球」と「海」の関係にあります。地球の表面温度は、比熱の大きな(温度変化の少ない)水を大量に含む海の存在によって非常に狭い範囲に保たれています。

この「水」こそが温度変化を抑える要となっているのですが、「冷え」を感じた身体にとって「水」は邪魔なものでしかありません。体温を上げたいのに、水があると体温が上がりにくいのです。

冷えるとトイレが近くなりますが、水分を排出して体温向上に励むためかもしれません。

「下痢」という大腸からの水分排泄もまた、この水の取り扱いによって積極的に提示された身体の生命維持反応、なのかもしれません。

指令③:体温を可及的速やかに向上させよ

熱容量を下げ体温が向上しやすい状態になったら、間髪を入れず体温を向上させなければなりません。熱容量が小さいことは、即座に温度を向上させることができる反面、即座に温度を下げてしまうことにもなりかねないからです。

さて、ここまでの「冷え」に対する身体の反応から、血流は抑制され、水は体外へ排出されてしまいました。この状態で可及的速やかに体温を向上させるには、通常利用している体熱産生法では間に合いません。

非常事態的対応が求められます。

それが、「腹痛」として現れる腸の強い収縮活動、および腸からの水分排泄です。

…と断言できればいいのですが、このことを示す科学的な根拠は(おそらく)ありません。腸の平滑筋が収縮することで、どれほど熱が発生しているのか?あるいは、通常は水分吸収器官として働く大腸が水分排泄をするとき、どれほどのエネルギーが利用され熱に変換するのか?おそらくは分かっていません。

ただ、ここに示した身体の反応は「自律神経が乱れる」など、外部環境に適応しきれなくなった末の壊滅的状況としてしか捉えることのできなかった従前の説明よりも、積極的に適応を図る順応反応として描くことが部分的にはできているのではないかと思います。

簡単なまとめ

  1. クーラーなどで冷えを感じると、体熱が外へ逃げないように手足への血流を抑制します。
  2. 血液と共に、水分が余ります。
  3. 水分があると体温が上がりにくいため、水分を外へ出します(排尿、下痢)。
  4. 体温を上げるため、腸が仕事(強い収縮)をします(腹痛)。
  5. (※上記は全て「仮説」です)

つまり、お腹が冷えると腹痛や下痢になるのは、生命の危機に対する適切な対処の結果だったわけです。

より詳細な解説は『お腹が冷えて腹痛・下痢になる原因は身体の防御反応にあり』をご覧ください。

未知と神秘に寄せて

人体の複雑さに、現代の科学は太刀打ちできていません。

冷えからくる下痢と言うよくある現象ですら、その説明ができないままでいます(「自律神経が乱れて」に説明不可能性の言い訳以上の意味はないように思われます)。

そんな状況で私たちができることは、私たちのこのカラダを信頼し、その神秘的ともいえる作用を邪魔しないことだけのように思われます。安易な下痢止め薬の服用は、控えるべきでしょう。

ありがちな対処法ですが、室内、社内、店内、車内、クーラーがガンガンに効いているその場へ一歩踏み込む前に、上着を一枚して「冷え」を予防することが最も確実な腹痛対策となるのではないでしょうか。

もちろん、守るのはお腹だけでなく冷風の直撃を受けやすい首や床に溜まった冷気に曝される足首などもお忘れなく。

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