マイケル・フェルプス選手の「紫色の丸い瘢痕(カッピング治療跡)」が話題に【2016リオ五輪】

2016年8月9日 2016年8月24日

カッピング療法

By: CiaoHo

「発表会や試合の本番で緊張して実力が半分も出し切れない子供に」という記事でも触れた競泳の五輪金メダリスト、マイケル・フェルプス選手

2016年のリオデジャネイロ・オリンピックにおいても金メダルを獲得し、自身の通算最多金メダル獲得記録を更新中です。

ところが、話題は別の方面に集中しているようで。

背中の治療痕

それは、肩にくっきりと付いた紫色の真ん丸マーク。

実はこれ、「カッピング(吸い玉)」と呼ばれる中国伝統医療を施した際に残る跡らしいのです。

激しいトレーニングがもたらす身体の痛みや肉体的疲労を取るため、日常的に「カッピング」を活用していたとのこと。

プラシーボ効果?

カッピングがもたらす“効果”の源泉は血行改善&毒素の排出として理屈付けされているようですが、内出血するほどの刺激と、分かりやすく残る跡がプラシーボ効果をもたらしているとの指摘も(『Can “Cupping” Treatments Raise Anything but Welts for Phelps or Other Olympians? – Scientific American』『‘Cupping Therapy’ Not Science Based, Yet Olympians Swear By It|AMERICAN COUNCIL ON SCIENCE AND HEALTH 』)。

またマイケル・フェルプス選手の母国、アメリカ国内ではかなりの話題となっているらしく、カッピング用のガラス器具が飛ぶように売れるほか、医学関連団体からは次のような指摘も。

あまりの騒ぎに、アメリカがん協会は「カッピングの効能を裏付ける科学的根拠はない」と声明をわざわざ発表している

引用:世界の目が吸い玉に! 金メダルで「フェルプスの丸」の検索が2,100%増|ギズモード・ジャパン

もちろん科学的根拠がなくたって、プラシーボ効果がメインかもしれないからって、マイケル・フェルプス選手が偉業を達成し続けているという事実には変わりなく、ご本人にとってのカッピング・セラピーの“効果”たるや、代替の効かない唯一無二の存在なのでしょう。

アンチ・ドーピング

2016年のリオ・オリンピックは開催前からドーピング関連の話題で物議を醸していました。

そんな中、ドーピングに関しては真っ白なカッピング療法。

スポーツ界で「飲む」、「打つ」はいけませんし、恐らくは「吸う」も問題があるでしょうが、「吸わせる」には一切問題がありません。

試すことも…

Amazonなどで「カッピング」や「吸い玉」と検索すれば、こうした器具が販売されています。

ガラス製(?)のもの。

気になる紫色の斑点は「3日~1週間程度で消える」旨の説明書きがあります。

また、シリコン製のものもあるようで。

気になる方はチェックしてみてください。

Amazon.co.jpで「カッピング」、「吸い玉」をもっと見る »

スポーツとプラシーボ効果

実は、アンチ・ドーピングの流れに加え、パフォーマンス最大化の目的からプラシーボ効果が“真剣に”検証されつつあります。

「持久走のパフォーマンスに対するプラシーボ注射の効果(論文紹介)」で紹介したように、科学的な論文として公表されている者もありますのでご参照ください。

スポーツとプラシーボ効果(※)の善き相乗作用を期待したい。

※もちろん本記事で紹介した「カッピング」理論をプラシーボ効果として退け、卑小化する意図はありません。

追記

海外でもこの「カッピング」の効果に関して検証が進められているようです。

論文を引いて“科学的”に検証しているのが「Despite Olympians’ trust in it, cupping may offer ‘placebo effect’ at best」と言う記事。

結論としては、「プラシーボ効果以外の何物でもない」とのこと。

さらに「施術はタダ(無料)じゃない」、「(がん治療においては)有用だと証明された療法を選択しにくくする」などの欠点も挙げられるなど、中々に手厳しい。

“怪物”フェルプスの戦績を超える“科学的”トレーニングや“科学的”疲労回復法さえあれば過去の笑い話として語り草となるのでしょうが、現在のところ「カッピング」を含む東洋起源療法はある種の幻術的魅惑を伴い、スポーツ界にその名を轟かす機会を窺っているようにも思われます。

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