まんが本『ヘンテコノミクス』でつかむ行動経済学の要点

2018年1月24日 2018年1月25日

酸っぱくない葡萄

photo by pakutaso.com

「あなたの会社って、ヘンテコよね」

「君が販売している製品、ヘンテコだよな」

自分が勤める会社や、取り扱う商品がそんな風に言われたら、どう思いますか?

「んなことねぇよ!」と強く反発するか、ムッとして黙り込むか。

でも、「えへへ、そうなんですよ。実はこれ、かくかくしかじか…」と言ってヘンテコだと“褒められた”ことが嬉しく、喜びを抑えきれないニヤケ顔で相手が引くくらいの多弁を弄しちゃう企業さん・企業人もおりまして。

偽薬を販売するプラセボ製薬株式会社も、そんな会社の一つです。

(*´σー`)エヘヘ

『ヘンテコノミクス』というヘンテコまんが

さて、世にある各種ヘンテコなモノモノに負けず劣らず、ヘンテコな行動や考え方をしている身近な存在があります。

それは、「自分」という存在。

あなたの行動や思考、ヘンテコじゃないですか?

What is ヘンテコ?

いきなり「お前もヘンテコだよ」と言われて嬉しい方も多くはないでしょうから、ここでいう「ヘンテコ」について説明しておきましょう。

「ヘンテコ」とは、合理性に反して、非合理的な行動をとってしまう傾向のこと。

合理的でないから、ヘンテコであるというわけです。

しかし、ここでより重要なことは、「合理性」もまた揺れ動く価値観に支えられた傾向であるにすぎないということでしょうか。

一風変わった学問の誕生

というのも、実はこの人間の行動に関するヘンテコな一面は好奇心旺盛な学者の関心を大いに惹きつけ、合理性に重きを置く興味深い学問分野を生み出したため。

一見非合理に見える人間の(経済的)行動を、心理や感情に焦点を当て合理的に説明しようとする学問・研究手法は、「行動経済学(こうどうけいざいがく)」と呼ばれます。

行動経済学という一風変わった学問分野はここ二十年にわたる知見の蓄積を経て、また進化心理学という武器を得て、合理性という力を着実に伸ばしつつあるように思われます。

ヘンテコに光を

行動経済学の進展により従来ヘンテコだと思われていたことが人間に一般的な傾向として認められ、その理由さえも合理的に説明されようとしています。

もちろん、学術的な理論が人口に膾炙し、一般の方に広く受け入れられるまではヘンテコであり続けるのですが…。

いやいや、黙っていても世界は変わらん。

Hey Hey Hey 時には起こせよムーブメント

(「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーブメント(作詞:Tetsuya Komuro)」より引用)

目指すは、ヘンテコ・アービトラージ。ヘンテコさを武器にヘンテコを世間にばらまき、ヘンテコであることがフツーの世界を目指すのだ!

『ヘンテコノミクス』

…そんな意図があったや否やわかりませんが、『ヘンテコノミクス』(マガジンハウス 原作:佐藤雅彦、菅俊一 画:高橋英明)はそんなヘンテコさに光を当てる素敵なまんが本です。

題字のフォントからしてヘンテコ感たっぷりな仕上がりになっています。

『ヘンテコノミクス』とは

日本全国の書店やコンビニで目にしない日はない『anan』や『クロワッサン』や『Tarzan』。

これら発行物を擁する株式会社マガジンハウスが大人の男性向けにライフ・スタイルを提案する雑誌『BRUTUS』で連載された、行動経済学紹介まんがの単行本が『ヘンテコノミクス』です。

2018年1月現在、Amazon.co.jpにおける「ビジネス・経済ノンフィクション の 売れ筋ランキング」で1位を獲得しており、ヘンテコさを世間に知ってもらいたいという当初の目的を十二分に果たしている様子が伺えます。

『ヘンテコノミクス』売れ筋ランキング

Amazon.co.jpより引用 2018.1.14)

もちろん通販サイトだけでなく、書店の店頭において平積みで販売されているのを見かけます(2018年1月現在)。

いろいろな効果、さまざまなエピソード

『ヘンテコノミクス』がやや時代がかった画風の漫画で紹介するのは、行動経済学が見出した様々な非合理的行動をもたらす色々な効果です。

アンダーマイニング効果、フレーミング効果、アンカリング効果、おとり効果、新近効果、保有効果、プライミング効果、ハロー効果、などなど。

そしてもちろん、プラセボ効果も。

これらの解説は『ヘンテコノミクス』に任せますが、私たちの(ヘンテコな)行動への理解は、行動経済学的知識のありなしで大きく解釈を変えうる、あるいは生活を、ひいては人生を変えうるものであるのかもしれません。

実際、社会のしくみを変えようと試みる際には必ずと言っていいほど行動経済学の知見が参照されます。人間への理解なくして、より良き社会を想像・創造することはできないからです。

知っておいて損はないはず。

コラムでご紹介

この『ヘンテコノミクス』で、ありがたいことにプラセボ製薬の「プラセプラス」をご紹介いただきまして。

しかも、雑誌『BRUTUS』を背景にした商品写真付き。粋だねぇ!

書店にて『ヘンテコノミクス』をお見かけの際には、パラリと140ページあたりをご参照いただき、いくつかの漫画エピソードを立ち読みしつつ、「ふーん、面白いね」なんて思いながらレジへお持ちいただくことをお勧めします。

面白いけどヘンテコな、もとい、ヘンテコだけど面白くてためになる『ヘンテコノミクス』は2017年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学というテーマの入門書として断然おすすめの一冊です。

ヘンテコじゃなくなる日を夢見て

さて行動経済学という学問分野は、人間の非合理性について進化心理学などを武器にして合理的な説明を与えつつあると先に書きました。

直感的なヘンテコさに合理的な説明が与えられたとき、そのヘンテコさはもうヘンテコのままではいられません。

ある種のフツーとして受け入れられてしまう日が来るはずです。

ヘンテコ・アービトラージ

ヘンテコ・アービトラージとは、ヘンテコさという珍奇性そのものによって話題となり広く知られ渡る結果、ヘンテコであるという認識が失われてしまうことを表すプラセボ製薬の造語です。

ヘンテコさというサヤを利用して話題性という利益を得る裁定取引(アービトラージ)。

実のところ、プラセボ製薬が目指すのもこのヘンテコ・アービトラージだったりします。

世にプラセボあり

プラセボすなわち偽薬(ぎやく)は、現在のところ、一般に販売される商品としては珍奇に思われがちなものですが、この認識を変えてみたい。

ドラッグストアや薬局に並ぶフツーの商品としてプラセボを流通させ、フツーに手に取っていただきたい。

なんなら、複数のプラセボ商品が置かれた店舗の一角で「どのプラセボがいいだろうか」なんて会話がフツーに交わされる世界を創造したい。

そんな風にも思います。

『ヘンテコノミクス』を読もう!

閑話休題。

『ヘンテコノミクス』は、ノーベル賞受賞などで話題となった(けれど一見難しそうな)行動経済学という学問分野を、私たちの日々の生活に結び付けることを意図した作品です。

行動経済学が研究対象とする現象の要点をマルっと理解するにはうってつけ。

わかりやすいけどためになる、という常套句がこれほど合致する書籍もないでしょうってな具合によくできたまんが本。

気になる方は是非ご一読ください。

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