「一咳一錠」のかぜ薬?高齢者も若年者にも生じる身近な薬物依存症

2016年9月29日 2016年10月13日

風邪ひき女性

photo by photo-ac.com

「一期一会」に「一言一句」、「一進一退」や「一朝一夕」、それに「一石二鳥」などなど。漢数字が入った四字熟語は本当にたくさんありますし、日常会話でもよく使われているように思います。

またこの類の四字熟語は新たに創作したり改造することも簡単で、大喜利の如き愉しみさえあるでしょう。

さて今回、ご紹介したいのは以下の新規四字熟語。

「一咳一錠」

「いっせき・いちじょう」と読めば中々に語呂もよく、当該現象を幾分かの驚きをもって詳らかにできている…かどうかは当記事を読んでいる皆様のご判断にお任せします。

プラセボ製薬への問い合わせ

当ブログを運営するプラセボ製薬株式会社では、偽薬を食品として販売しています。

特に認知症の高齢者を介護されているご家族さんへは「薬の飲みたがり」に適切に対応するためにお使いいただくことをオススメしている関係から、医薬品に関するご相談を受けることもあります(が、基本的にはかかりつけの医師、薬剤師へご相談下さい)。

中でも多いのが、「薬を飲み過ぎる、異常な量を飲む」というお悩み。

あるご家族さんは、こんな経験をされているそうです。

高齢者のかぜ薬依存

「高齢の親を介護しているが、認知症の症状もあり、風邪薬を大量に服薬してしまう」

「咳(せき)をするたびに風邪薬を一錠飲むため、一日で一瓶を空けてしまうほどだ」

大量のかぜ薬が身体に良いとは思えず、どうにか服薬量を減らしたいとご心配されていました。隠すなどして薬を飲ませないとどうしても不安が募り、不穏になってしまうため、偽薬で代替することができないか、と。

過剰がもたらす闇深さと滑稽さと。そんな物事を四字熟語で表現するならば。

「一咳一錠」

「一日一瓶」

医薬品への依存エピソードは、まだまだ新たな四字熟語を生み出すかもしれません。

くしゃみ3回、ルル3錠

かつて、三共(今の第一三共)が風邪薬ブランド『ルル』のコマーシャルにこんな歌詞を付けて宣伝していました。

「くしゃみ3回、ルル3錠」

当時の動画も見ることができます。

高齢者の脳裏に焼きついている?

「くしゃみ3回、ルル3錠」というキャッチコピーは販売戦略的に秀逸ながら、現在は使われていません。

厚生省(現在の厚生労働省)より、「『くしゃみ3回』は風邪の兆候とは無関係」という旨の横やりが入ったためと言われています(参照:『クシャミ三回、ルル三錠 – みずがめ座の時代』)。

昭和32(1957)年のヒットCMソングであることから、現在ご存命の多くの高齢者がこの歌に触れ、口ずさんだ可能性があります。

「薬を飲めば風邪が治る」というほのめかしすら、「風邪薬とは感冒の症状を抑えるもので、風邪自体を治すことはない」と広く認識されている現在では使われなくなりました。

それでも、風邪をひいたら風邪薬を飲むものだ(しかも3錠も!)という、いわば“刷り込み”は現在でもその効力を発揮している…のかもしれません。

実は多い、風邪薬依存

市販の風邪薬は風邪そのものを治すのではなく、症状を抑える対症療法薬だということは広く知られています。医師が飲まないクスリの筆頭にも挙げられるでしょう。風邪の引き初めに飲んだからといって、回復を早めることもないためです。

ただ、解熱作用や鎮咳作用、抗鼻炎作用など、その場しのぎでも活用したい薬効ではありますので、必要な時に限り服用するという方も多いでしょう。

TPOを考慮して、リスクとベネフィットを勘案しながら服用する。

現代社会の賢い医薬品消費者に求められる態度かもしれませんね。

ただし、じつは高齢者や認知症の方に限らず、かぜ薬に依存されている方は案外多いようで。

風邪薬で気分がスッキリ?

「風邪薬 依存」などでググってみると、質問掲示板等に当事者からの質問が掲載されています。

友人が毎日パブロンを飲み続けて10年位になります。
きっかけは、出産を機に風邪をひきやすかったり、体がだるいのが風邪のひき始めと思い飲む機会が増えてきて、
それからいつでも持ち歩くようになり、体が辛かったら飲むを繰り返しているうちに習慣化したそうです。
やめようと思いつつ、体のだるさをごまかすために飲み続けているそうです。
飲む量は1回1袋、1日3回で時々1日で6回飲む時もあるそうです。
本人もやめようと思っているのですが、離脱症状に負けてしまうとのことです。

Yahoo!知恵袋「友人がパブロン中毒です。」

風邪薬依存症を治したいです。
32歳の独身女です。
中学生の時からほぼ毎日特定の市販の風邪薬を飲んでいます。
理由は軽い頭痛と熱が出るからです。
飲むと頭痛も熱も治まって頭も気分もスッキリします。
でも時間が経ったり、次の日になると同じ症状になりました。

Yahoo!知恵袋「風邪薬依存症を治したいです。」

私の妻は毎日、パブロンゴールドA微粒を飲んでいます。1週間で1箱44包入がなくなります。
3時間おきぐらいに1包飲んでいると思います。2~3年以上は続いています。
わたしも飲まなくは無いのですが1週間に1~2包ぐらいす。
常に体がだるい状態で、飲むと一時的に直るそうです。かぜというよりは、だるいから飲むみたいです。

教えて!goo「パブロンを毎日飲む妻」

37歳独身 女性です。
感じるストレスを軽減する事に気付いてから
4,5年前から市販の総合感冒薬(風邪薬)を
出勤前に毎日飲んでます。

発言小町「いつか副作用が出ますか?」

かぜそのものを治したいというよりは、その諸症状(咳、痰、鼻詰まり、熱っぽさ、頭痛、だるさ)の一時的消失に取りつかれてしまうようで、ウイルス感染を原因としない原因不詳の体調不良に対しても風邪薬で対処するということがあるようですね。

また予防目的という側面もあり、かぜ薬に対する強い信頼(≒信仰)もうかがえます。不謹慎かつ蛇足かもしれませんが、真剣な過剰さは常に滑稽さを纏っているようにも思われます。

ちなみに、特定の商品銘柄が頻出するのは市販の総合感冒薬(かぜ薬)における売上シェアの高さに由来するものかもしれませんし、あるいは噂が噂を呼び…ということかもしれません。

参考リンク:

依存形成を促進する成分

もちろん、特定のブランド品だけが依存の対象となるのではありません。広く一般の総合感冒薬に用いられる成分の中には、依存形成を促進するとされる成分があります。

米国の大ヒット・ドラマ『ブレイキング・バッド』では、主人公の化学教師が市販のかぜ薬から成分を抽出し、覚せい剤を製造する様が描かれました。

対象となったかぜ薬の成分は「プソイドエフェドリン」。覚せい剤に近い化学構造を有し、精神作用も認められるとのことで、日本では「プソイドエフェドリン」など7成分を含む総合感冒薬等が販売数量の規制対象となっています(『【薬食審】乱用防止へ販売数量制限‐一般薬配合7成分を指定(2014年2月17日、薬事日報)』)。

「一人一箱」…は特に有望な新規四字熟語とは言えませんが、そのような規制が必要なほど風邪薬依存・濫用患者が存在しており、また発生しやすいと考えられているのでしょう。

「高齢者だから、健康に対して不安が強いため…」とか、「認知症の痴呆症状で薬を飲んでも忘れてしまうから…」とか言ったそれらしき理由を超えて、年齢性別、持病等に関係なくかぜ薬への依存が生じてしまう可能性があるようです。

対処法

酒や煙草、麻薬、覚せい剤など、自らの行為をやめたいのにやめられない場合。あるいは、社会生活や経済的基盤を脅かすほどのめり込んでしまう場合には依存症であると考えられ、有効な治療を受けなければ身体への悪影響を募らせ健康を害してしまうでしょう。

風邪薬の場合にも同じことが言えます。風邪薬依存は、それが古くから使われている市販薬、OTC医薬品だからといって軽度で済むものではありません。

依存状態を意志の力だけで脱け出すのは容易ではありません。医師等による積極的な介入が必要になる場合もあるかもしれません。

薬効成分が切れると離脱症状のつらさが生じますし、何もせずに耐えるのは最もつらく「絶対にやめる!」という決意など簡単に吹き飛ばされてしまうためです。

心療内科や依存症専門医に相談するか、専門の施設へ相談することを考えた方が良いかもしれません。

依存とともに生きる

もちろん、かぜ薬に依存していることを積極的に認め、副作用リスクを承知の上でベネフィットを享受するという生き方を否定するものではありません。

「一依一存」

誰しもが誰かに、何かに依りかかりながら生きているのもまた事実だからです。朗らかに依存症状を語り合い、にこやかに依存対象を愛でるのも一概に悪いこととは言えません。

ただ、止めたい、止めた方が良い、もしくは他者の視点からやめさせた方が良いと思うのなら、目的達成のために偽薬が利用できるかもしれません。

特に、冒頭で述べた通り、介護者・看護者目線で依存形成が見られる老人患者の場合、比較的偽薬を採用しやすいかとも思われますので、ぜひ一度ご検討下さい。

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