セルフメディケーション税制創設の背景に国民医療費高騰への危機感あり

2016年12月22日 ---

セルフメディケーション推進の流れ

平成29(2017)年1月より、「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」と呼ばれる新たな税の仕組みが適用されます。

簡単に言えば、薬局やドラッグストアで購入できる特定のOTC医薬品(一般用医薬品)については、年間の購入金額に応じて納税すべき金額を減らしてもらえるという制度です。

減税額や適用の条件など制度の詳細は「セルフメディケーション税制は面倒?減税額とレシート保存&確定申告の手間は要勘案」にて。

当記事では、セルフメディケーション税制創設の背景について紹介しています。

セルフメディケーション推進は国家プロジェクト

セルフメディケーション税制と聞いても、なんだか唐突に出てきたややこしい仕組みだと思われるかもしれません。

あるいは、セルフメディケーションという言葉をずいぶん前から知っているものの、具体的なアクションとして実行されることのない“掛け声”だと解していた方もおられるかもしれません。

ただ、実は「セルフメディケーションの推進」は国家の存亡・再興をかけたプロジェクトの一環という意味合いもありまして。

日本再興戦略

より古い話はさておき、2013(平成25)年ごろまで遡れば国の方針としてセルフメディケーションの推進が提示されていることがわかります。

というのも、平成25年6月14日に閣議決定された『日本再興戦略 -JAPAN is BACK- 』にばっちりと記載があるためです。

薬局を地域に密着した健康情報の拠点として、一般用医薬品等の適正な使用に関する助言や健康に関する相談、情報提供を行う等、セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を促進する。
『日本再興戦略 -JAPAN is BACK- 』、61ページ

「再興」というからには、今は沈んでいる・落ち込んでいるという現状認識があるわけで、その要因として不健康とそれに伴う医療費の高騰が想定されています。

不健康状態が蔓延し医療費がさらに高騰する事態を回避する方針として「セルフメディケーションの推進」すなわち「自己責任型健康管理」が挙げられ、さらにその具体策として、当時は薬局・薬剤師の活用が求められました。

すでに「かかりつけ薬局」や「かかりつけ薬剤師」など制度化された施策もあります。

また「健康情報拠点薬局(仮称)」が「健康サポート薬局」として正式名称化したことを受け、制度の周知が図られようとしているところです。

健康管理は自己責任の時代へ

今般のセルフメディケーション税制創設についてもこの流れを汲むものであり、「セルフメディケーション」というキーワード、キーコンセプトを軸とした健康意識の高まりが期待されているところです。

繰り返しになりますが、国民医療費の高騰を抑えなければ日本の再興は成らないという認識が国家の中枢にあります。

専門家たる医師の責任の下で高コストの健康管理を行ううちは医療費を低減できない。健康の責任を個人に帰することが医療費の低減につながるはずだと。

もちろんこれはお金だけの話ではなく、健康とは何かという健康観の問題とも関わってきます。

プラセボ製薬株式会社では、自分の健康に責任を持ち、また自分の身体を信頼することが健康につながるという健康観を提示したいと考えていますので向いている方向は同じなのではないかと考えています。

気になる利用実績

セルフメディケーション税制の利用実績が分かるのは2017年分の確定申告がなされる2018年3月以降のことですが、非常に気になるところですね。

「セルフメディケーション税制は面倒?減税額とレシート保存&確定申告の手間は要勘案」で挙げた面倒くささを超えて、利用者がいるのか否か。

もちろん1円たりとも納税額を増やしたくない熱き節税家の魂に火をつけるのは間違いないので利用者はおられるでしょうが、それがどれほどの数になるのか。気になります。

より理解を深めるために

日本再興戦略で発されたセルフメディケーション推進の掛け声は、実効力を伴い事業化されています。

2014年

上記2013年の日本再興戦略を受け、具体化策として2014年に「拠点薬局モデル事業」が2億円程度をかけて実施されました。

2015年

「拠点薬局モデル事業」の実績に基づき、「健康情報拠点薬局(仮称)」として検討された「健康サポート薬局」も審議の上、2015年に取りまとめ資料が報告されました(具体的な検討内容はこちら)。

さらに2015年にはセルフメディケーション税制の創設について「2015年9月11日 第88回社会保障審議会医療保険部会」で検討(?)されています。

当部会提出資料3-2では、消費者だけでなく、事業者に対する減税措置も提案されているようです。

○ セルフメディケーション推進に資する薬局に係る税制措置の創設〔不動産取得税〕
セルフメディケーションの推進に関し、国民が気軽に健康相談等を行うことができる環境を整えるため、充実した健康相談等の体制や設備などを有する薬局のうち、中小企業者が開設するものに係る不動産についての不動産取得税の軽減措置を創設する。

ドラッグストアという小売業態は非常な勢いで拡大を続け、調剤業務へも積極的に展開する動きが出てきましたが、逆に中小企業者が開設する薬局(≒パパママ薬局)は制度的なサポートを受けなければ太刀打ちできない…のかもしれませんね。

流通業界紙に業態研究レポートがありましたので、ご参考まで。

2016年

さらに、セルフメディケーションの推進を考える上で欠かすことのできない「スイッチOTC」についても厚生労働省に設置される審議会で検討がなされています。

2016年12月現在、単発の開催となっていますが「2016年4月13日 第1回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」では興味深い国内・海外事例等の研究報告資料も提示されています。

一般用医薬品の品目
(引用:参考資料2「一般用医薬品の地域医療における役割と国際動向における研究報告」、12ページ)

現状ではかぜ薬が一般用医薬品の筆頭であり、セルフメディケーション税制の主役を務めるものと考えられますが、今後さらにスイッチ(医療用→一般用)事例は増えると思われ、勢力図は数年でがらりと変貌するかもしれません。

不満解消から価値提供へ

2週間に一度は病院へ通っているが、数時間待たされた挙句に診察は数分で終了して支払い。処方箋をもって薬局へ向かえば、いつも通りの医薬品をいつもの数だけ渡されてまた料金の支払い。

こんな医療制度ってムダじゃないか?

そんな疑問を抱く患者さんもおられます。

もし数年来飲み続けている“この薬”が、医師の診察および処方せんなしに薬局・ドラッグストアで手に入るとしたら…?

こうした要望を踏まえ、また上記のような検討会を経てスイッチOTC化の流れは今後も進展する見込みです。

薬局および薬剤師に期待される役割もまた、セルフメディケーションを追い風に拡大していくように思われます。

いずれの業界でも、顧客の不満を解消するというニーズ対応だけでなく、これまでにない価値を提供できるニーズ創造型の企業が成長していくのでしょう。無駄の排除に加えて、「健康」という個別性の高い最上級の価値を提供できるとすれば、成長は間違いありません。

しかし、それはもちろん“売りたいモノを売る”という形ではないはず。知識集約型の産業だという自負を、消費者の実感的価値へと転換できるか否か。

もしそこでプラセボ製薬株式会社が関われるとすれば、これほど嬉しいことはありません。

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