プラセボを讃える叙情詩

2014年7月9日 2016年10月6日

パトリック ルモワンヌ著『偽薬のミステリー』(紀伊国屋書店)では、素敵な詩が紹介されています。

以下引用(p274-275)。

愛しいプラセボ

われプラセボを愛す。
なによりも、そのかわいらしい名のゆえに。
今や医学のラテン語名はまれとなるも、
いまもなお、世界ほどに古き名は、
治療もまた古きことを示す。

私がプラセボを愛するわけは、それが権威に絶えず挑戦し、
治療の確信という畑に疑いの種を蒔くから。
その疑いのひとつは、
われらが永遠の真実と思いこんでいるものを、
やさしく揺さぶり、われらの熟慮を刺激する。

私がプラセボを愛するわけは、それが矛盾の痕跡だから。
偽りの真実、真実の偽り、
理性の魔法、魔法の理性、
現実の幻影、
そして、もちろん、幻影の現実。

私がプラセボを愛するわけは、それが患者への「還元」的アプローチの限界を象徴するから。
患者が知らぬ間に追いこまれるメカニズムの世界は、
純粋に心理的な次元、あるいは、生物学的な次元にある。

だが、私は思う、私がプラセボを愛するのは、今日のだれも、
私の知るかぎりにおいては、
その完璧なる使用法を見出してはいないから。

ジャン-ジャック・オーラ

以上です。いかがでしたでしょうか?

プラシーボ効果プラセボ効果)の持つ神秘性は、詩人をも惹きつけます。科学の最先端は、いつだって文学に近寄っていくようにも感じます。

“その完璧なる使用法”を見出すのは、あなたかもしれません。

『偽薬のミステリー』について

『偽薬のミステリー』はフランス語で書かれた書籍の日本語翻訳版です。数多くの患者に接してきた医師としての経験と、過去の知見をミックスして“不思議を楽しむ”原著者の筆致はとても面白く、プラシーボのことを考える上で重要な示唆を与えてくれる良書です。

ご興味がおありでしたら、ぜひご一読ください。

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