休薬とは?

2015年8月25日 ---

休薬(drug withdrawal)

休薬(きゅうやく)とは、薬を一時的に中断することです。

似たような言葉に「減薬」や「断薬」があり、これらは主に精神科領域で薬物治療を積極的にやめる場合に使用されます。

一方、「休薬」は手術前に行われます。どうしてでしょうか?

手術中の医薬品の影響

いかなる外科手術でも、身体に対する侵襲をなくすことは出来ません。我々ヒトの身体は傷を付けると赤い血が流れるようにできています。

このとき、例えば「血液をサラサラにする薬(抗血栓薬、抗凝固薬)」を服用した直後に手術を行うとどうなるでしょうか?

普段ならちょっとした切開創や、やむなく付いた臓器の傷は血が固まる作用によって自然に閉じられてしまいます。しかし、「血がサラサラ」すなわち「血が固まりにくい」状態であれば、こうしたちょっとしたキズからも出血し続けてしまいます。

従って、そうした影響を極力排除するために「休薬」という措置が取られることがあります。

治療法は改善されてゆく

かつて“正しい”とされ盛んに実施されていた治療法が今ではほとんど見かけなくなった事例は枚挙に暇がないように、現代的な“正しい”治療法も未来のある時点で捨て置かれる可能性があります。

「休薬」措置についても議論があるようで、最近では「内視鏡時に抗血栓薬を極力休薬しない方針を示したガイドラインが発表され」たそうです(参照:『「内視鏡でアスピリンは休薬しない」が常識に:日経メディカル』

関連語:減薬断薬

手術前以外の「休薬」

がんの化学療法で用いられる抗がん剤などでは、投薬と休薬を交互に行い、最善の治療効果を目指す服薬デザインが採用されることがあります。

いささか強すぎる抗がん剤の副作用を最小限に留めつつ、患者の体力・気力が回復する期間を設けて最善の結果を得ようする試みは現在も改善が続けられています。

また抗認知症薬などの使用中に有害事象(不都合な作用)が認められた場合には、いったん服用を中止(休薬)して様子を見ることがあります。

こうした「休薬」は後々に服薬の再開を見越している場合が多いものですが、有害事象に耐えて薬物治療を続ける意義があるか否かは今一度よく考えた方が良いかもしれません。

致死的な疾患でない限り、薬を使わない「断薬」を目指すことも考えられます。

休薬期間(washout period, rest period)

『「休薬」を意味する複数の英語』(医薬翻訳者のタマゴたちへ)と題する記事では、「休薬(期間)」という日本語を考える上で非常に参考となる記載が為されています。

Drug withdrawal

有害事象に伴い、投薬を中止せざるを得ない場合には「Drug withdrawal」という英語が使用されます。ここには「期間」を指示するものはありません。

一度起こった有害事象は二度目の事態を避けるため、半永久的に中断(休薬)されます。それは「断薬」という言葉の響きに近いと考えられます。

Washout period

新しい医薬品を開発する際に行われる治験では、同じ人が期間を分けて複数の薬を飲む試験デザインが採用される場合があります(クロスオーバー試験)。

前に飲んだ薬と、後に飲んだ薬の効果を同じ人で比較すれば、より正確な効果の比較が可能であると考えられるためです。

しかしながら、前に飲んだ薬の影響が残ったまま後の薬を飲み始めると、正確な比較はできなくなってしまいます。そこで、前の薬がの抜け切るよう、一定の「休薬期間」を設けてその影響を排除します。

これを英語で「washout period」と呼びます。

Rest period

上記で述べたように、抗がん剤や抗認知症薬では強い副作用(有害事象)が発生する場合があります。

それは「薬が効いている」ことの証左であると考えることもできますが、患者の体力や気力を奪い続けるだけでは治療の意味はほとんどありません。

出来る限り体力と気力を保ち続けるよう、ずっと薬を投与し続けるのではなく、休み休み投与を行う場合があり、この薬を与えない期間(急用期間)を日本語では「休薬期間」といい、英語では「rest period」と言うそうです。

複数ある「休薬期間」の意味も、英語表現の違いで捉えればすっきりと理解できるかもしれません。

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