医薬品とノシーボ効果

2014年9月9日 2015年11月9日

医薬品にもプラシーボ効果がある一方、ノシーボ効果もあり得ます。

これらのことは、いくつかの誤解を生んでいます。

プラシーボと同程度の効果

製薬各社は新薬開発の最終段階で、人を対象とした臨床試験を行います。もしその結果が思わしくなかった場合、試験報告書では以下のような表現が為されます。

「新薬には、プラシーボと同程度の効果しかなかった。」

この表現には、「新薬がプラシーボと同等の低い効果しかなかった。」という否定的なニュアンスが含まれています。しかし、次のように考えることもできます。

「プラシーボには、新薬と同程度の高い効果があった。」

プラシーボ効果は取るに足りない微かな兆候として表れる効果ではありません。実際に身体的、精神的、あるいは生理学的に変化を起こしうるはっきりとした効果です。

プラシーボと同程度の副作用

今度は逆に、うまくいった臨床試験の報告書を見てみましょう。きっと次のような一文が見つかります。

「新薬投与群における副作用の症状・頻度は、偽薬群と同程度であった。」

この表現にはやはり、「新薬投与群における副作用の症状・頻度は、プラシーボ群と同程度に低かった。」というニュアンスを含みます。しかし、プラシーボによる副作用(≒ノシーボ効果)が軽微である保証はどこにもありません。

ノシーボ効果もまた、はっきりとした変化を起こしうる効果なのです。

また医薬品にもノシーボ効果があることから、現在使用されている医薬品の原因不明な副作用の一部、およびそれっぽい原因解説がなされている副作用例の一部はノシーボ効果によるものと考えることもできます。

ヒトはクスリを何と見る?

ある薬を飲んだ人が、“薬が効いている”と実感するのはどんな時でしょうか。検査数値に変化が見られた時などは分かりやすい例ですが、ある特殊な兆候に基づきその効果のありなしを見極めようとすることがあります。

それは、“副作用”です。

「この薬を飲むと副作用でのどが渇くことがあります」と言われて出された薬を飲んでしばらくし、「確かにのどが渇いてきたな。どうやら薬が効いている様だぞ…」と言った形で間接的にその薬の効果を実感することがあります。

「この薬は効くようだ」という思いは、もしかするとプラシーボ効果を増強させるかもしれません。同様に、ノシーボ効果もプラシーボ効果を増強させる可能性を秘めています。

医薬品の作用は恐らく、薬学部の授業で教えられているほどに単純なものではありません。

医薬品マーケティングが生む病態

かつては製薬業界が真っ当な商売として、未解決の医療問題に解決策を提示する医薬品を開発していました。

しかし、様々な要請と要因とにより真っ当な商売を捨て去り、「病気づくり」と呼ばれるマーケティング活動を通じて広く病気を売り込み、健康状態に不安のある者を患者となるよう教育し、その治療薬を当て込むことで不当な利益を確保する活動が流行しています。

ただしその治療薬は根本的に病気を癒す特効薬・根治薬ではなく「病状のコントロールを可能にする」と称する薬であり、いつしか薬がなくとも生活が可能となるような思想は捨て去られ、生涯服薬が求められています。

こうしたネガティブな物語は、近年医師や製薬業界の内部から指摘されるようになりました。

もしこれらが真実であるならば、医薬品のマーケティングが望ましくない身体状態を創り出すという意味で医薬品のノシーボ効果の一種として捉えられるべきかもしれません。

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