模倣薬とは?

2015年11月9日 ---

模倣薬(mimetic、me-too drug)

模倣薬(もほう・やく)とは、字義通りに解釈すれば何らかの医薬品に倣い、模して作った偽物の薬であるが、狭義には先行発売された医薬品(先発品)と同じ有効成分を含む後発医薬品(ジェネリック医薬品)のこと。

もちろん、他者の商標権を侵害する偽造医薬品と同様の意味で「模倣薬」の語が使用される場合がある。

また、生体内に存在する神経伝達物質やペプチドの化学構造に基づき、その生理作用を利用するために合成・修飾された化合物を有効成分としてふくむ医薬品を「模倣薬」と呼ぶこともある。

模倣薬の語は確定的な語義を持つものではなく、様々な意味に解釈し得るため、語義の判定には文意に沿った個別の判断を要する。

類義語:後発薬、類似薬、模造薬
関連語:偽造医薬品

交感神経模倣薬

交感神経は単純な化合物であるアドレナリン(エピネフリン)によって刺激されること、アドレナリンは数種の受容体によって感知され生理作用を発揮することが知られていた。

この作用を薬理学的に応用し医療に活用するためアドレナリン刺激を模倣する医薬品が開発され、「交感神経模倣薬(sympathomimetic)」と呼ばれるようになった。

アドレナリン受容体は複数種あることが知られ、それぞれが受け持つ生理作用が異なるため交感神経模倣薬に関しても生体への作用は様々であり、全てが臨床的利益を持つ医薬品として使用されているわけではない。

ペプチド模倣薬、ペプチドミメティック、ペプチドミメティクス

生体は限定された数十種のアミノ酸をいくつか組み合わせることでペプチド(連鎖アミノ酸)を合成し、様々な生理作用の調整役として利用している。

生体構成分子であるペプチドを体外から摂り入れることで人為的な生理作用の調整が可能となると考えられるため、ペプチドは創薬の標的となる。生体内に備わる分子であるため安全性が高く、微量でも強力な作用が発揮できると期待された。

しかしながら、ペプチドそのものを医薬品として利用する際には加水分解性や凝集性などの短所が製剤化を困難にしている。

そこで、生体内のペプチド構造を模倣しつつ上記の欠点を解消することで医薬品として用い得る高分子化合物が創薬標的となり、「ペプチドミメティックス(peptidemimetics)」と呼ばれるようになった。

ただし、ペプチドミメティクスによる創薬研究が実を結んだ実例は乏しい。

運動模倣薬、エクササイズ模擬薬

顕著な肥満解消効果によって糖尿病や心血管疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)を予防する「運動」の生理作用が近年明らかにされつつある。

運動時に活性化される糖代謝、脂肪代謝の分子生物学的基盤が明らかになるにつれ、運動以外の活動により運動不足を解消できる可能性が検証されるようになった。

つまり実際にカラダを動かすことなしに低身体活動状態を解消する「運動模倣薬」の開発が進行している。

その継続に永続的な強い意思を要求する点が運動の短所として挙げられるが、運動模倣薬の摂取によって運動不足が分子生理学的に解消され、なおかつ適切な管理運用が達成されるならば健康長寿が達成されるかもしれない。

やせ薬、ドーピング

美容的観点からも痩身効果に優れる「運動」が薬によって代替し得るとすれば、より直截的な用途として「やせ薬」が実現される。

また運動選手に対する運動模倣薬の投与はドーピングとして禁止される可能性がある。

ただし、複雑系である生体の、複雑な現象である「運動」を単純な分子生物学的作用として還元論的に捉えることは限界があり、運動模倣薬は「夢の薬」として夢のまま潰えるような気が。

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