ランダム化/無作為化とは?

2014年12月11日 2016年10月6日

ランダム化(無作為化、randomization)

ランダム化/無作為化(むさくい・か)とは、ある一群の要素から複数のグループを作る際、恣意的な判断やいかなる基準をも用いずにグループの要素を選び出す(振り分ける、割り当てる)こと、またはその方法です。

ランダム化の目的は、新たに作られた複数のグループ間に差異が無いものとし、全てのグループが同じであると見做す(みなす)ことにあります。

別の言い方をするなら、ランダム化の目的はグループ間の違いを無視(できるように)することにあります。

コンピュータによるランダム化

「選ぶ」という語は作為を含意しており、ヒトが関与した上で無作為に「選ぶ」ことはできません。そのため現在では、コンピュータによりランダム化が為されています。

ランダム化比較試験/無作為化比較試験

ランダム化比較試験(ランダムかひかくしけん、RCT:Randomized Controlled Trial)とは、「ランダム化」により割り付けられた複数のグループを用いて、「限定的に設定した差異」がもたらす「効果の差異」を比較する試験です。

ランダム化されたグループは“全て同じ(=差異なし)”とみなしますので、「効果の差異」があるとすれば、その効果の原因は注目する「限定的に設定した差異」のみに遡及的に特定されるというわけです。

もし仮にランダム(無作為)以外の方法によってグループの要素を割り当てた場合、その割り当て方が「効果の差異」の原因である可能性を否定できず、「限定的に設定した差異」の特異性(唯一それだけが原因であること)を主張することができなくなってしまいます。

したがって、因果律に基づく統計的推論によって原因を特定するためにはランダム化が必須であり、これ以上に客観的な方法がないという意味でランダム化比較試験は科学的に最も妥当な研究手法だと考えられています。

RCTによる治験

「限定的に設定した差異」として最も一般的なのは、「薬効成分候補を含有する・しない」でしょう。すなわち、薬効成分と目される特定の化合物を含む被験薬と、その成分を含まないプラシーボプラセボ偽薬)を用いた比較試験です。

「薬効成分あり」、「薬効成分なし」。これ以上ないほど明確かつ極めて限定的に設定された差異が何らかの効果(結果の差異)をもたらすとすれば、その原因はずばり「薬効成分」だと主張することができます。

したがって、プラシーボを用いる新規医薬品の臨床試験(治験)ではほとんどの場合、治療対象者の一群が「介入群(被験薬群)」と「対照群(プラシーボ群)」にランダム化されて振り分けられます。

繰り返しになりますが、ランダムではなく何らかの作為の下に両者のグループ分けがなされた場合、その作為そのものが結果の差異を生み出す可能性を否定できず、薬効を評価することができなくなってしまいます。

二重盲検法との組み合わせ

さて差異が無いようランダムに振り分けられた複数のグループは、さらに二重盲検化されることでその扱いまで差がなくなります。

  • ランダム化:「介入群」と「対照群」の要素間の差異を同じにみなす操作
  • 二重盲検化:「介入群」と「対照群」の扱いの差異を同じくする操作

そうすると、「介入群」と「対照群」の差異は「被験薬に含まれる薬効成分」だけに限定されることとなります。

従って、もし両群になんらかの差異が見出されたのならば、それは「被験薬に含まれる薬効成分」が原因であると結論されるというわけです。

ランダム化/無作為化の問題点

ランダム化の限界

ランダム化の目的は、「新たに作られた複数のグループを全て同じであると見做す(みなす)こと」です。決して“同じ”にすることは出来ないけれども、便宜的に“同じ”と見做す。あるグループと別のグループとを“同じ”に近づけるために最大限できること、それがランダム化です。

しかし、もちろん“同じ”ではありません。特にヒトが関わる試験ならば、それは「個別具体的な一回性の事象」(by 野中郁次郎氏)にならざるを得ず、ランダム化されたグループ間には必ず差異があります。

「個別具体的な一回性の事象」であることが明らかだと見做されるような“結果の差異”は、予め定められた基準に従って排除されることがあります。

ランダム化の対象は被験者だけ?

ランダム化の対象となるのは、試験される側(被験者)に限定されます。試験する側(実験者)がランダム化されることはありませんが、通常は被験者グループのランダム化によって実験者がランダム化される必要はないものとみなされます。

試験・実験や観察においては、何を前提とし、何をどう見做しているかを把握しておかなければなりません。

何が結果に影響を与えるか、何がプラシーボになり得るか、事前に(あるいは事後でも)知ることは出来ないからです。

あわせて読みたい

「二重盲検法・ランダム化・プラセボ対照の目的は原因の特定」でもランダム化/無作為化に関する考察を深めていますのでぜひご一読ください。

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